軽量・末廣、重量・志田が二階級制覇!! 吉祥寺旋風が名古屋を席捲!
北斗旗全日本空道体力別選手権大会
2007.5.27
2007年5月27日(日)、今年も名古屋で春の体力別大会が開催された。
吉祥寺からは、関東地区予選でベスト4以上に入賞した3人、末廣、ジェイソン、志田が出場する予定だったが、ジェイソンが試合直前の怪我で棄権せざるを得なくなり、 2年ぶりの全日本出場となる二人が、吉祥寺の看板を背負う。
末廣は先日のRISEで悔しい敗戦を喫したばかり。のみならずこの全日本から僅か3週間後に"Flash to Crush tournament07"に出場が決定している。
過去の北斗旗では、怪我による不完全燃焼が多かったこともあり、今年こそ、という思いは強いところ。
とはいえ、直前に脛の傷が膿んで練習を中止せざるをえなくなるなど、決していいコンディションでは臨めなかった末廣に、セコンド陣にも若干の不安が漂う。
しかし蓋を開けると意外な展開が。末廣の打撃に対して、真っ向から勝負に来ず、逃げ回る相手が続出。正直なところ、準決勝までは安全に勝利を奪いながら、逆にストレスがたまる内容となった。
以前の末廣ならイライラして無駄な隙を作ったところだが、今回は冷静に勝負を重視して試合を運ぶ。
迎えた決勝戦。相手は関東予選でアキレス腱固めを喰らい一本負けしている高橋腕(新潟・二段)。
過去何度も対戦しそのつど好勝負を繰り広げてきた両者に、場内からも期待交じりの歓声が飛ぶ。
開始と同時に仕掛けたのは高橋。いきなり間を詰めての強打から、得意の組み合いに持ち込んで行く。末廣もよく凌いでいるが、ペースは高橋か。
足を絡めてスイープしようとする高橋だが、末廣はバランス重視。下にならないように対応する。スタンドに戻っても高橋ペースの展開になり、吉祥寺サイドには若干イヤな雰囲気も流れたが、高橋の大振りに合わせた、末廣のカウンターの右がクリーンヒットし、流れは逆転。
キックの試合でも何度も相手を失神KOに追い込んでいる必殺のパンチで「効果」を奪うことに成功。
離れては前蹴りが当たり始め、組んでも膝が出るようになり、徐々に末廣のペースの試合になったところで本戦が終了。規定により延長に突入する。
もちろん、勝っていても油断はできない。高橋の地力は誰しも知っているところだ。
延長前、セコンドを通した飯村先生の指示は「腹」。
前蹴りや膝蹴りは、確かに高橋の動きを鈍らせつつあった。開始と同時に距離を測りながら前蹴りを繰り出す末廣。
闘志はあっても前に出られない高橋を、逆に冷静に突き放していく末廣という展開。
それでも組まれると引き込まれる展開もあり、寝技で一発逆転を狙う高橋に油断はできない。ラストまで末廣もチャンスにパンチをまとめ、スタミナ切れの高橋を追い詰めて試合終了。
末廣、なかなか勝てなかった北斗旗で、ついに戴冠!
今大会の最激戦区王者は吉祥寺から生まれた。