末廣、悔しい逆転負けで第三位

2006.6.25 R.I.S.E. "Flash to Crush '06"

前回大会では直前に風邪を引き、黒田アキヒロ(フォルティス渋谷)にまさかの敗戦を喫した末廣。
今回はコンディショニングにも注意を払い、絶好の仕上がり。RISE初開催となる-60kgトーナメント制覇に向け、死角なしだ。

8名で行われたトーナメント、末廣の1回戦は第3試合、相手は板橋寛(大誠塾)。よく伸びる左ストレートを武器とする"光速レフティ"。
ゴングと同時に、定石どおり左ミドルを走らせ、末廣の右を封じに来る板橋。末廣はこれを腕で受けてしまい、板橋がリズムに乗るかと思われた矢先、試合は唐突に動いた。
前に出ようとした板橋の顎に、末廣の右がジャストミート。仰向けにダウンする板橋の姿に、場内からもどよめきが起こる。
カウント8で立ち上がってきた板橋を、末廣が再度パンチの連打でマットに沈めるまでには、 10秒程度しかかからなかった。KOタイムはわずか46秒。
優勝するためには3試合を闘わなければならないワンデイトーナメントであることを考えれば、まさに最高の立ち上がりと言える。

1回戦他の3試合は、率直に言って、両選手とも決め手に欠ける消耗戦が繰り返されたため、末廣のKO勝ちのインパクトは大きかった。

続く準決勝、相手は昨年のDead or Alive(-70kgトーナメント)で、優勝したTATSUJIと激闘を繰り広げて一躍RISEの顔のひとりになった水谷秀樹(スクランブル渋谷)。
逆転KOも多く、いわゆる"プロ向き"だ。大応援団をバックに、1回戦を勝ちあがってきた。
試合開始から、水谷は動いて撹乱させる戦術をとる。時折バックハンドブローを見せるが、精度は低い。末廣は相手のリズムにならないように、遠くから前蹴りやミドルで仕掛けては、首相撲で膝を当てていく。なかなかクリーンヒットが取れない末廣、やや焦れた感じで1Rを終えた。

2Rも展開は変わらないが、水谷は膝蹴りを腕で防御し始め、明らかにボディにダメージが蓄積している。
だが、末廣がパンチで決めに行くと頭を下げて決定打を避け、末廣にも若干疲れが見えてくる。

3R、倒しに行きたい末廣が前に出た瞬間「まさか」が起こる。
水谷の左バックハンドブローが末廣を捉え、続けてストレートがクリーンヒット。ダウンを奪われてしまう。鼻血も出て、逆にダメージを負った末廣も、必殺のパンチで倒しに行くが、水谷の驚異的な粘りに、とうとうダウンを奪い返せず試合終了。
1、2Rを優勢に進めた末廣と、3Rにダウンを奪った水谷。ドローかとも思われた判定は、僅差ながら2-0で水谷に上がる。末廣は、無念の準決勝敗退となった。

水谷は決勝でも強いハートを武器にKO勝ち。アマチュアに続き、プロのトーナメントも制する事に成功した。

末廣は敗れはしたが、ポテンシャルの高さは見せることができた。
後は、結果を出すだけだ。更なる高みを目指し、吉祥寺のエースとしての挑戦は、まだまだ続く。
(文中敬称略)